2015年6月17日水曜日

時を真姫戻して

劇場版ラブライブ!見てきました!
よってネタバレをします

























すごく、すごくいい映画でした。
2期最終話から1年、待ったかいがあったのではないでしょうか

やはり、 μ'sはおしまいになってしまうんですね。
寂しいけれど、みんながそう決めたんですもんね、
ニコの言うとおり、「あの時の結論」を簡単に変えなかったのは正解だと思います。
これで結論を翻して「やっぱやります!」ってことになったら
嬉しい事は嬉しいかもしれませんが、それはちょっと違うんじゃないかな、となったはず。
これでいいんだ、これで…

小ネタも多い楽しい映画でしたね、ことりちゃんはちゃんと枕持ってきてたし、
それぞれの代表となるセリフも言ってたし。
ワンダフルラッシュでバス待ちしてたおばあちゃんも出てたし、
でっけえチーズケーキも食べてたし!
白米は食べたいよね。

アメリカ、でっかい国ですねホント。
映画とかでしか見たことがないのでエリチカが言った「本で見たことある!」にすごく同意できました。
本で見たことあるって言った橋、なんだろう?ブルックリンブリッジかな?
たぶんそうだよね、1年生がHello,星を数えてを歌ってたシーンの最後がブルックリンブリッジだった気がする。
穂乃果が登りたい!って言ったビルはエンパイアステートビルでしょう、
まぁ、このへんは誰でも分かりそうなアレなので多分自分がアメリカに行ったとしても
彼女たちと全く同じことを言うと思います…

凛ちゃんが「ニューヨークはアキバに似てる」とか言った時は
「何言ってんだこいつ…」とか思ったけど、その後の
「変化していく街~」の件で納得。世の中の変化に敏感で、常に吸収し、変わっていく街。
時代の流れを感じられる街、ということなんでしょう。
僕たちの言う「アキバ」と彼女たちの言う「アキバ」は同じようで少し違うんだ、ということを再認識しました。
彼女たちの「アキバ」はただ秋葉原というわけではなく、愛すべき地元であるということ。
子供の頃から住んでいる彼女たちはアキバの「変化」を肌で感じてきた、変化とともに成長してきた、
家族のようなものであるのでしょう。

アキバと一口に言っても秋葉原駅周辺をイメージする我々に対し、彼女たちの「アキバ」は
須田町や淡路町の方寄りの、みんなが住む街のほう。きっと学校もその辺りなのでしょう。
ラブライブ!というすべてのストーリーが始まる一番最初の解説にも、
秋葉原、神保町、御茶ノ水に挟まれたひっそりと佇む街、と表現しているのできっとそうだと思うのですが、
おそらく一番時代とともに変化しているのはその辺りでしょう。
共に変化し成長してきた、兄弟のような街。
マンハッタンの公園にあるステージでエリチカが「なんか落ち着く」と言ったのも、
希の「みんなと一緒にいるから」だけでなく、ニューヨーク自体に
アキバとなにか近いものを感じたからではないでしょうか。
Angelic Angelを歌うμ'sのみんなも、国は違えどきっと地元で歌っているような感覚で
のびのびと歌ってくれていたはずです。

ニューヨークで穂乃果が出会った「女性シンガー」は穂乃果にとっても、
そして映画を見ていた自分にとっても衝撃的な存在でした。
そもそも誰なんだって言うところもあるのですが…
何よりも彼女が穂乃果に問いかけた「何のために歌う」はすごく重みのある言葉でした。

過去に仲間と歌っていたという女性シンガーさんに穂乃果は解散する自分たちの今後の道へのヒントを知ろうとして
「それで、どうしたんですか?」と聞いたのだと思います。
そこで、スッと答えを言わずに「自分がどうしてきたのか、何のために歌ってきたのか」と、
それを知れば答えは簡単だった、と自分で答えを出すように導いてくれます。
アニメシリーズもそうですが、このセリフこそがラブライブの本質であると自分は思っています。
これこそが、TVシリーズにない2時間という尺があったからこそ出たセリフなんだと思っています!
単なるサクセスストーリーだけでなく、みんなが成長していく物語。
街も、 μ'sも、スクールアイドルの大会「ラブライブ!」も。
そして、高坂穂乃果という女の子が、「アキバ」が成長していくストーリーであるということ。

いろんな不安も、いろんな障害も、どんな試練も乗り越えてきました。
乗り越えられたのは「愛すべき地元」があったからこそです。
愛すべき学校の為に、愛すべき「アキバ」の為に。ただ、それだけではなかったはずです。
もちろん「ラブライブ!」出場のため、優勝のためというのもあったと思います。
でも、1期13話で穂乃果は海未ちゃんに言いました。「学校のためとかじゃなく、歌うのが好き」と。
その姿に、他のメンバーも惹かれたのです。その姿に、「前に進む勇気」をもらってきたのです。
2期では少し見失ってしまったような気がしていましたが、劇場版では再び見つけられたと思います。

日本に帰ってきて学院長やA-RISE、ヒデコ、フミコ、ミカと言ったクラスの仲間に

「μ's」を続けて欲しいと頼まれ、「解散」の決心が揺らいでしまったり、
アリサや雪歩に不安な顔を見せてしまい「楽しくないの?」と聞かれてしまったのも、
女性シンガーに言われた「答え」を見失いかけてたからだと思います。

でも、みんなは見失いませんでした。穂乃果は見失いませんでした。
歌うのが好きだから、歌うのが楽しいから。
楽しかったから、スクールアイドルを続けてきたのです。

「μ's」と「スクールアイドル」は同じですが違います。
その2つが混同しかかっていたのも穂乃果たちが迷った原因でもあると思います。
他の人達が言う「μ'sを続けて欲しい」は「アイドルを続けて欲しい」と同じ。
でも穂乃果たちにとっての「μ's」はこの9人だからこそ。
3年生のいないμ'sは考えられません。それを「続けてくれ」と言わ戸惑ったのかもしれません。
この感覚はきっと当人たちにしかわからないのだと思います。
同じようで、違う。A-RISEの結論や花陽が本編で言ってた「卒業しても続ける」という選択も
もちろん正しいのですが、それは「μ's」としての結末にはふさわしくないとと思ったのでしょう。
なぜなら、「μ's」は「スクールアイドル」だから。
限られた時間の中で、必死に輝く、がんばるのがスクールアイドル。
それが好きだったから、μ'sは活動してきたのです。
そのスクールアイドルに卒業生が混じってしまったら、それはもう「スクールアイドル」ではありません。
1期終盤でも2期でも何回もみんなは言ってきました。「9人いなければμ'sじゃない」と。
卒業してメンバーが欠けたらμ'sじゃない、でも、9人のままではスクールアイドルではない。
そして、何より自分たちが楽しかった、好きだったのは「スクールアイドル」。
スクールアイドルがスクールアイドルであるために、スクールアイドルμ'sはやっぱりおしまいにする。
「ラブライブ!」の未来の為に、学校の為に、外的要因の為にμ'sを続けるのということを考えていた穂乃果の顔は
きっと「楽しそうに見えなかった」のでしょう。だからアリサも「楽しくないの?」と聞いたのです。
もちろん最初は学校のためでしたが、何よりも楽しかったからのはず。スクールアイドルが楽しかったからのはず。
その「楽しいスクールアイドル」の為に、「スクールアイドルでなくなったμ's」が加担する、というのが
嫌だったのだと思います。
でも、自分たちが協力しないせいで「ラブライブ!」が発展しなくなるというのもそれはそれで嫌。
それらについての答えを穂乃果はステキな提案で解決してくれました。
それが最後の「全国のスクールアイドルを集めてのライブ」でした。
全国のスクールアイドルがみんなでひとつの歌を歌う、素晴らしいライブでしたね。
スクールアイドルのみんなも、μ'sのみんなも、他の参加者たちも、みんなとても楽しそうでした。
スクールアイドルの楽しさを広めるには最高の場だったと、自分は思います。

このライブの前に、万世橋で「女性シンガー」と穂乃果は再会します。
去り際に「答えは見つかった?」と再び問われます。
そして一言「飛べるよ」と。

本編冒頭の水たまりを「飛ぶ」シーン、この万世橋での精神世界(?)の中で穂乃果が「飛ぶ」シーン、
そもそも飛行機は飛んでるし精神世界に飛んでるしとかいろいろ飛んでるシーンはありますが
この「飛ぶ」とは「前に進む勇気」に事なのかな、と個人的には思いました。
花陽がメンバーに入る時に凛真姫が背中を押したり、エリチカ自身が「前に進む勇気をくれた」と言うなど、
いつだってこの作品には「前に進む」という隠れた(隠れてない)テーマがついていました。
劇場版でも、スクールアイドルに解散を伝える際に海未ちゃんことりちゃんが穂乃果の背中を押してくれました。

アメリカでは女性シンガーさんが過去に仲間と別れた経験を語り穂乃果に「良いきっかけだったのかも」「新たなステップに踏み出すきっかけかも」と
幾つか意見を出していましたが、そのステップを踏み出す勇気がまだなかったのかもしれません。
いつだって、みんなに勇気をくれたのは穂乃果です。前に進む勇気をくれたのは穂乃果です。
悩んでいた穂乃果に「飛べるよ」と背中を押してくれた、前に進む勇気をくれた女性シンガーさん、
もしかしたら、未来の穂乃果ちゃんなのかもしれませんね。
今まで友達に、仲間に勇気を与え続けた穂乃果。
自分以上に、自分自身のことを知っている人はいません。
最後の最後に、「過去の自分」という最高の親友の手助けをしてくれました。
前に進めた、水たまりを飛べた穂乃果はもう迷いません。
自分の出した答えを信じ、新たなるステップに踏み出していくのです。
新たなステップの第一歩、スクールアイドルの楽しさを伝える楽しいライブが始まりました。



そして、本当に、本当に自分が一番好きだったのがその後のシーンです。
3年生の雪穂、アリサがアイドル研究部の部室で新入生の前で語りかけています。
「μ'sはこの音ノ木坂で生まれました」と。
「学校を廃校から救い~…」と過去を語る雪穂とアリサ。
この、この表現方法が自分は本当に大好き!!!!!

後輩が、未来の人達が、今まで本編で流してきたことを最後の最後に「過去にあったこと」として
さらなる後輩に伝えるという表現。
今までのμ'sの活動を、1期、2期、劇場版の内容を、
回想として、最後に穂乃果たちより未来の人(今回は雪穂、アリサ)が伝えるという表現。
本当に泣きそうになりました。

以前好きな作品としてスタートレックをあげましたが、その「ヴォイジャー」シリーズでも
「700年後の目撃者」という話で同じ手法を用いています。
700年後の未来に目覚めてしまったドクターが、自分たちの活動が正しくその星の住民に伝えられていないと、
間違った歴史認識を正すために孤軍奮闘します。
本編45分のうちの44分はその孤軍奮闘の様子ですが、
最後の1分、それは更にその数百年後の未来の人が博物館で流している映像記録だった、というオチです。
今までの内容が回想だった、というオチは本当にドキっとします。そして泣けます。
今まで見てきた内容はもう既に大昔のことなのです。
雪穂やアリサが過去のことのようにμ'sの話をしていました。アリサは日本語がすごく上手になっていました。
もう、それだけの時間が経過してしまったのです。
時間モノ、特にタイムパラドックスものは大好きですが、こういう時間経過モノもすごく好きです。
もう、μ'sはとっくのとうに過去になってしまっていました。
その寂しさが、とても胸を打ちます。
ラブライブ!はドームライブが今年も予選が行われます、と。
ドームライブは実現できたのです。ラブライブ!は成功したのです。
穂乃果達の活動は無駄じゃなかったのです。
過去のこととして語るこの表現は本当に大好き。


そして、μ's最後のライブは、と2人が語り、最後にμ'sの歌で本編は終わります。
この会場はどこなのか、それはわかりませんが、μ's最高の、そして最後のライブだったのでしょう。


本編、すごく好きなシーンいっぱいありましたが、
一番好きだったのは何よりも挿入歌ですね
CMやPVの時点でAngelic Angelすごい好きな曲だなと感じていたのですが
本編で改めて見たら、やはり本当に好きな曲だと再認識しました!
エリチカかっこいい、他の子もみんなかわいい!
和の衣装もかわいくてステキでした。やっぱりアメリカが会場ということで
アメリカ人ウケする和服イメージにしたんでしょうか?
かわいいジャパニーズガールズが和服で踊る姿は
きっとアメリカ人たちにμ'sの名を広めてくれたはずです。

2年生組の歌「Future style」もすごく個人的に好きな歌でした。
一番好きなのは振付かも。振り付けはこの歌が圧倒的に好きだった。
学年ごとの曲はどれも好きだったけどやっぱり2年生の曲が一番好き。
あと、やっぱり劇中劇っぽいなと改めて思った。

そして何より泣けるのがEDでもある「僕たちはひとつの光」。
歌詞にμ'sのメンバーの名前が交じる、アイドルにはお馴染みのようなアレですが、
最後の最後で流れるこの曲は本当に泣けます。


本当に、本当にストーリーがすごくいい話だった!
終わっちゃうのは寂しいけれど、まだ、みんなの活動を見続けていたい…
そんな複雑な気持ちになるけど、やっぱりラブライブは最高!
そんな映画でした。

あとはBDで細かいシーンを見て行きたいですね…
メンバーのママたちも確認したいし…
まだ見逃してるシーンいっぱいあると思う!

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